このコーナーでは、月華の剣士シリーズの簡単な紹介と、各作品のデータを掲載しています。基本的にSNKまたはオフィシャル情報誌であるネオジオフリークやゲーメスト(旧新声社刊行)に掲載されたアナウンスをもとに作成しています。
ネオジオCD版の容量が不明なのは、正式なアナウンスがないことと、BGMや追加特典の関係上、ROM版と同様の容量にならないことによります。
一部は私の記憶のみによる記述があるため、正確ではない箇所があるかもしれません。ご容赦下さい。
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シリーズ構成 |
幕末浪漫 月華の剣士 幕末浪漫第二幕 月華の剣士 幕末浪漫 月華の剣士(PlayStation版) 幕末浪漫特別編 月華の剣士(ネオジオポケットカラー版) |
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ジャンル | 2D対戦格闘アクション(剣劇格闘) |
機種 | アーケード(MVS/SNK) 家庭用ネオジオ・ネオジオCD PlayStation |
開発・販売 | SNK 旧夢工房(PlayStation版) |
発売日 / 価格 |
業務用MVS: 1997/12/05 / 128,000円 家庭用ネオジオROMカセット: 1998/01/29 / 32,000円 家庭用ネオジオCD: 1998/03/26 / 6,800円 |
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容量(単位: bit) | 474メガ(ネオジオCD版は不明) |
時代・背景設定 | 1862年 日本 |
登場キャラクター数 |
12人+1人(MVS版) 12人+2人(ネオジオROMカセット版・ネオジオCD版) |
ボスキャラ | 嘉神 慎之介 |
発売日 / 価格 |
業務用MVS: 1998/11/20 / 128,000円 家庭用ネオジオROMカセット: 1998/01/28 / 32,000円 家庭用ネオジオCD: 1998/02/28 / 6,800円 |
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容量(単位: bit) | 544メガ(ネオジオCD版は不明) |
時代・背景設定 | 不祥(説明書の数字とキャラクター設定の数字が合致しない) キャラクターの年齢などを考慮すると1年後になる |
登場キャラクター数 |
16人+2人(MVS版) 16人+3人(ネオジオROMカセット版) 16人+4人(ネオジオCD版) |
ボスキャラ | 黄龍 |
発売日 / 価格 |
通常版: 1999/02/25 / 5,800円 SNKベストコレクション版: 2000/02/24予定 / 2,800円 |
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容量(単位: bit) | 不明 |
時代・背景設定 | 1862年 日本 (基本的にネオジオ版と変わらないが、ネオジオ版では死亡している「真田 小次郎」が生きている。) |
登場キャラクター数 | 12人+5人 |
ボスキャラ |
通常キャラ: 嘉神 慎之介 真田 小次郎: 紫鏡 |
発売日 / 価格 | 2000/03/16 / 3,800円 |
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容量(単位: bit) | 16メガ |
時代・背景設定 | 1863年 日本 (基本的に「幕末浪漫第二幕 月華の剣士」と同じ。ただし、1回クリアするまでは1作目月華のシナリオになっているため、ハイブリッド版になっていると言える) |
登場キャラクター数 | 9人(初期)+4人(第二幕キャラ)+2人 |
ボスキャラ |
1作目モード: 嘉神 慎之介 2作目モード: 黄龍 |
月華の剣士とは、1997年末に突如発表されたSNKの剣劇格闘アクションゲームです。時代背景は幕末動乱期の日本で、戦国時代以来の混乱した世の中が舞台となっています。それまでの業務用格闘ゲームには見られない美麗なグラフィックと斬新で分かりやすいシステム、ハイセンスなキャラクター設定などの要素が高レベルで調和し、非常によくまとまったゲームとなっています。シリーズ物全盛のこの頃ということもあったためか、評価自体は高かったもののアーケードでの寿命は残念ながらあまり長いものではありませんでした。
月華の剣士の特徴といえば、やはり「弾き」です。ボタン一つで出すことのできるその動作は、「ハイリスク・ハイリターン」という言葉で示されるように、うまく決まれば一発逆転を可能にするものの、同時に多大なリスクを抱えているというたいへん面白い特殊動作です。このようなシステムは他のゲームにもありましたが、入力が困難であるなどの諸々の条件のためにあまり使われなかったようです。しかし月華の剣士の弾きはDボタンを押すだけで使うことができます。誰にでも、特に格闘ゲーム初心者でも比較的簡単に使えたことから、既存の格闘ゲームで猛威を振るったワンパターンな攻めや、「待ち」が簡単には通用しなくなった点は評価すべきだと思います。SNKの月華の剣士開発スタッフはこの弾きの入力を容易にすることで、格闘ゲームで失われつつあった純粋な「対戦での駆け引き」を楽しんでもらおうと考えていたようですが、この弾きシステムや、この頃の格闘ゲームとしては比較的シンプルな月華の剣士のシステムは、多くの格闘ゲーム初心者を引き込んだという点も見逃せないでしょう。
発売当初、楓・守矢・雪の3人が極端に強いためにキャラクターの対戦バランスが悪いとささやかれましたが、これも弾きの使い方が広まると同時に自然に緩和され、微妙な対戦バランスが生まれるに至ります。
1年後、「幕末浪漫第二幕」を掲げる月華の剣士の正統の続編がリリースされます。今でこそさまざまなシステムの問題のある箇所が絡み合って、非常に厳しい対戦バランスを作り上げてしまいましたが、剣質「極」やガード硬直短縮などのシステムが発見されるまで非常に好評だったこともあり、ゲームの本質は見事に前作のコンセプトを継承しているといえると思います。
弾きを絡めた対戦での駆け引きは、他のゲームでは味わえない緊張感があり、非常に面白いものとなっています。続編となる「幕末浪漫第二幕 月華の剣士」においてもそのシステムは比較的シンプルなものになっているので、格闘ゲーム初心者の方や、3D格闘ゲーム派の方にもぜひプレイして欲しい作品です。
SNKには、月華の剣士の他に「サムライスピリッツ」シリーズという剣劇格闘アクションのタイトルがあります。「幕末浪漫 月華の剣士」がリリースされる前に、既に4作が発売されており、KOFシリーズ・餓狼伝説シリーズと並ぶ看板タイトルになっていました。なぜ自社に剣劇格闘ゲームを持ちながら、剣劇格闘ゲームの新タイトルを発表したのか・・・。
剣劇に見る「斬る」と「死」は、当時のサムライスピリッツシリーズでは表現しきれていないため、純粋に「斬る」を表現することでサムライスピリッツシリーズとの差別化を図ったと私は聞きました(全て記憶のみ)。
開発スタッフ陣が違うという点もあるはずですが、同じ会社のゲームでありながらここまでゲームの雰囲気が違うのはこのためかもしれません。
上に触れたように、月華の剣士は格闘ゲーム初心者を多く引き込んだという功績を持っています。これは月華の剣士がシンプルな操作性を前面に押し出し、テクニックよりも駆け引き重視で対戦ができるというシステムを有しているからでしょう。
「幕末浪漫第二幕 月華の剣士」になって、弾きの多様化やCPUの強化などにより前作「幕末浪漫 月華の剣士」よりも難易度が上がってしまいました。私の個人的主観や、このBlue Moonに来て頂いているユーザーの方の意見を考慮しても分かるように、月華の剣士は他のゲームと比べて操作性などの敷居が低いため、格闘ゲーム初心者が新規に参加しやすいゲームだといえます。
私個人的には月華は格闘ゲーム初心者の窓口のような位置付けで頑張って欲しいと考えています。シンプルな操作性をそのままに、よりゲーム性を重視するという永遠のテーマを引っ張っていくシリーズになって欲しいと願います。
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