後書き
−月華の剣士インターネットノベル−

2000/06/24 - 2000/06/28
http://www.bluemoon4u.com/novels/mirror_epi.html

ATTENTION!!

これは「MiRrOr」の後書きです!

ネタバレ等々があるので読むのは「MiRrOr」が全編読み終わってからにして下さいね。
──あと、後記は(小説本文同様)必ずしも公式設定に忠実に書かれている訳ではありません。
ご了承くださいませ。m(__)m

それともう一つ。各話毎の解説もしているので、
「そういうのは見るとつまらないから見たくない!」
──という方。(結構居るかも……(^^;))

そういう方はこの先に読み進む事をお勧めしません。あしからず。

「MiRrOr後記改訂」序文より抜粋

──やっと「月華の剣士」小説「MiRrOr」完結です。長かった、我ながら……。(感涙)

まあ、それはさておいて。楓、そして『楓』がもう一人の「自分」と『青龍の力』を受け入れるまでを描いたこの話、如何でしたでしょうか?

あまりに書きたい事がたくさん有りすぎた為に、収拾がつかなくなっちゃいましたね……反省。

取り敢えず話ごとの解説などをしていきますので、お時間のある方はよろしかったらお付き合い下さいませ。ちなみに題名の後にくっついてる( )内は、題名の意味です。

──第壱話・兆候(きざし、予兆)+α──

αとは話の前についてるプロローグみたいな奴のことです。あれ、誰の事か分かりましたか? 伍話などを読めば分かって頂けると思いますが、あれは幼い頃の『楓』の独白です。アレがこの小説のタイトルの元だったりします。だからこの話の真の主人公は、楓じゃなくて『楓』だったりして。(笑)
 いきなり夢のシーンで始まってますが、これはラジドラのパクリでは御座いません。(汗) ここのシーンは、僕がラジドラをCDで初めて聞く前に書いたところです、念の為。

──と、話を内容に戻して。ここに出てくる『楓』(刀を持ってる方)は、姿は楓自体とまったく同じです。楓は『楓』の姿を当然知らない訳ですし。せいぜい「血に染まった瞳」ってトコで、暗にそれが自分とは少し違う存在──『楓』だってことを示しているぐらいです。

あとはvs雪姉戦。回想な上に省略しちゃってます。(-_-;) これは別に僕が雪姉を嫌いだとかいう訳じゃありません。いや、ホント。(笑) この小説は戦闘ばっかなんで、こういうトコで巻きいれちゃう。(^^;) さすがに守矢との闘いは省略したくないんで……優先順位の問題でこうなりました。──ごめんな、雪姉……。

──第弐話・拮抗(互いに優劣が無く、対抗する事)──

守矢登場と楓vs守矢戦。いきなり絡まれてますねー、何やったんだ兄ちゃん。(他人事) しかも、兄ちゃんの方から楓に闘いをけしかけてるし。──ってまあ、これにはちゃんと彼なりの考えがあるんですけどね。つまり守矢はこれ以上、自分の都合に捲き込ませたくなかったから楓を諦めさせる意味で闘いを仕掛けた訳です。彼って楓に負けず劣らず優しいんだろうけど、そういうトコは不器用なんじゃないかな、と思いまして。

そんでもって、『楓』が楓の意志に反して「外」に出てきます。というか、無理矢理出てくるしか無かったんですけどね。楓は、まだ『楓』を拒絶してたから。でも、この時の楓には迷いが有ったから、そのまま闘っていたら死んでいたかもしれない。それを悟って、『楓』は無理矢理出てきた訳です。もし人に聞かれたら「楓が死んだら、自分も死ぬ事になるから」とでも答えそうですけど。(笑)

──第参話・顕現(明らかに現れる事)──

覚醒楓vs守矢戦。これ……体力で考えたら兄ちゃんが勝ってるような☆(殴) まあ、『楓』の根気勝ちって事で。(^^;) でも、体力僅かだったんでしょう。覚醒すると勝手に体力削れていきますし。だから、覚醒解除する暇も無く気を失ってしまった、と。さすがに気を失った後は、自動的に楓に戻るのでしょう。──まあ、あの状態で解除しちゃってたら、楓が自分は守矢を殺したと思い込んで発狂してたかもしれませんし。(苦笑) 洒落になんないんですよね、実際。(^^;)

あ、ちなみに『楓』が「外」に出てる時の記憶なんかは、楓にはありません。楓はこの段階ではまだ『楓』を拒絶してるから、無意識の内に楓の方からそれを遮断してしまっている訳です。

楓が『楓』を受け入れてからは、ちゃんとお互い意識も同調しているんでしょうけど。

──そんでもって。ここら辺でやっと守矢の本意が少し出てきます。『楓』もなんとなくそれに気付けたんじゃないでしょうか。だから、楓や雪をここまで捲き込んでしまった罪悪感に捕らわれている守矢に、言葉を掛けられたのでは。「別にあんたのせいじゃないんだ」、と。スタッフさんの云う『楓』の意外な優しさってこういうトコに出るんじゃないかと思いましたんで。

──ん? そーいえば守矢は楓を運ぶとき、お姫様抱っこしたのか?(笑)

──第四話・邂逅(偶然に出会う事。巡り合い)──
──第伍話・光芒(先の方が広がって見える、光のすじ)──

迷いに迷った前半の山場、楓vs『楓』戦。──と言っても、全っ然闘ってません。(^^;) 演出はスゴイけど。楓が血反吐吐いたり、『楓』が胸板から血ィ噴いて「死」んだり。(苦笑) ま、『楓』の本来の目的は楓と闘う事じゃなくて、楓に大切な事を教えてあげる事だった訳ですから、当然なんですけどね。結局、彼もウジウジと独りで悩んでるもう一人の自分をほっとけなかったんですな。本人は借りがどうだの言ってますが。……何故か、僕の書く『楓』は楓関係の事となると素直じゃなくなるんですよね。(苦笑) きっと、本人はそれに気付いてないでしょうが。

あとオフィシャルでは楓にとって『楓』がどんな存在か細かく指定されてないんで、僕なりの解釈で書いちゃってますけど……でも、この解釈だと楓より『楓』の方が悲惨なんですよね。楓と同じように成長していく人格なのに、つい最近まで「外」に出れなかったんですもん。やっぱ『楓』とは言え、それは耐え切れないかなと思って考えたのが、楓と『楓』の幼い時の出会いの場面なんです。『楓』だって、いきなり「強かった」訳じゃないでしょうからね。

──第六話・真意(本当の心。本当の意味)──

前半のまとめの役割となるお話。ここでやっと楓がもう一人の自分を受け入れ、自分が闘う意味も見出す──「新たな出発」ってなトコです。ここは闘いの合間の息抜きみたいな感じでも書いていたので、他の話よりは幾許か軽いのでは。(^^) あと、かなりの話題を呼んだ(苦笑)ここに出てくるおっちゃんですが、やっぱり昔はかなりの修羅場を切り抜けてきた、腕利きの剣士だったのでしょう。もしかしたら、何か大事なものを失ってしまったのかも知れません。だから、まだまだ人としても剣士としても未熟な──だけど大切なものを持っている楓の事を、親身に思ってくれたのかな、と。(^^)

『楓』とこの人のおかげで、楓も少し「強く」なったと思います。

──第七話・堕天(嘉神のコピー「堕天の剣」から引用。天使が堕天使に なる事、という意味もあるそう)──

嘉神登場、楓vs嘉神戦。この話から気持ち的に、第二部って感じです。(笑) 壱〜六話は楓が『楓』を受け入れるまでの話。そして、この七〜拾壱話あたりは『楓』が『青龍の力』を受け入れるまでの話──という風に、なんとなく区分してたりします。

えー、武蔵戦を飛ばしたのは良かったのか悩み所なんですが。(滝汗) 武蔵戦をとばしたのは、僕がこの話で書きたい事とはあまり関係の無い戦いだと判断したからなんです。(^^;) 今回はあくまで楓と『楓』がお互いを受け入れるまでってのが大筋のコンセプトなもので……。武蔵ファンの方、ゴメンナサイ。m(_)m

そして、やっと登場のラスボス・嘉神慎之介。自分で書いてて、どーも嘉神のキャラが違う気が……。正直、彼のキャラは未だに掴めてるか自信有りません。(汗) 嘉神って好きなんですが。あの喋り方ももう気にならん。(笑) ただ、似つかわん台詞バンバン言わしてます。(^^;) 『楓』にもクサイ台詞は結構言わせているんですけども。(笑)

あと戦闘は、展開が変に早くなっちゃいました。(汗) まあ、ここまで来るとメインは『楓』だから彼を早く出させる意味も有ったのですが、実質まともに楓が食らってんの一発だけっス。(滝汗) でも、僕はプレイ中、覚醒前嘉神「には」ほとんど負けた事ないんですが(苦笑)、やっぱ一撃一撃がデカイからあんま「遊び」ができる相手でもないです。このときの楓、守矢戦のダメージはともかく、武蔵と闘ったときのダメージがまだ少し残ってましたし。難しい……。(--;)

──第八話・胎動(表面には出ないが、着々活動し始めている事)──

覚醒楓vs嘉神戦。──っつーか、「『楓』が自分が四神である事を知らされた」って事の方がこの話の主題ですな。『楓』がその事を今迄知らないで、ここで嘉神に告白される方が面白いかなという、僕の勝手な妄想によりこーなりました。(笑) つまり、楓にその事を教える前に師匠が死んでしまった訳で。公式の設定上、楓は二年間ほど玄武の翁のトコにも居たんですが、翁はまだ楓に教えるには早いと判断していた、と。楓、黙って翁の元を出たって話ですし。

そして、地獄門の出現と嘉神の覚醒。──ま、彼の「覚醒」は楓と違って、地獄門の『力』を受けることを指しているのでしょうが。だから、剣にはオーラを纏ってるし、空だって飛んじゃう(ってか、ニュートラルで浮いてるし)。 ……なんか少し前のラスボスって、浮いてる奴多いですな。(違)

──第九話・流露(本当の心を隠さずに現す事)──

覚醒楓vs覚醒嘉神戦。第一ラウンドってトコですか。嘉神の方は『負の力』を受けたから、体力はほとんど回復してるよーなモンだしパワーアップもしてますが、『楓』の方は同じ状態──どころか嘉神からの攻撃のダメージと、『力』を制御できないゆえの体力の消耗がありますから、最悪のコンディションでの戦闘ですね〜。(他人事)

そしてこの話のタイトル「流露」ですが、これは平たく言えば──嘉神の人類を滅ぼさなければならないという「使命感」の裏にある、「狂気」が露になったということ。

これも僕の勝手な考えなんですけど、彼は『負の力』を扱えると同時に、地獄門を邪魔に思ってる常世の思念に影響されてるトコがどっかにあってもおかしくないじゃん?──と。(ぉ だから、純粋な心ゆえにその影響が「狂気」という形で現れた──という風にしたつもりです。公式設定にもそれっぽいこと書いてあるし。(多分) ここら辺が彼が純粋悪で無い所以ですねぇ。

──第拾話・迷夢(夢のようにとりとめもない考え。心の迷い)──

『楓』が『負の力』に囚われた後に青龍に逢い、自分の存在と向き合ってこれからを見出して意識が現実世界に戻るまでの話。後半の山場ですね。もうここを書いてる頃、変な夢まで見ちゃいました。(何故か、床に血がいっぱいある空間の真ん中に僕自身が立ってる夢です。これは本当(苦笑))

『楓』は宿命的に背負わされた自分の存在に対する不安を指摘されて、心をボロボロにされて、いつもは見せない分の人であるゆえの「弱さ」を出さなくちゃいけない。でもこうやって、彼がいつもは出さない自分の弱い部分と向かい合わないと、彼はずっと独りだったんです。

なんとなく、楓に対しての『楓』って『青龍の力』とか青龍とイコールみたいな解釈がよくあるそうなんですが、それでは暗に『楓』が楓と青龍を結ぶための仮初の意識と言ってるみたいなので……。

だから『楓』=青龍じゃなく、『楓』も一人の人として青龍を見詰めて貰いました。それに、『楓』には『青龍』としての強さだけじゃなくて人間としての強さも持ってもらいたいんです。そのときこそ、彼の本当の強さが見えるんじゃないかと思ったんで。……スゲェ妄想入ってンな、自分。(--;)

ま、結局彼が『青龍の力』を継ぐ為に創られた存在かどうかというのは、否定されてないですけど。

──第拾壱話・大勇(本当の勇気)──

覚醒楓vs覚醒嘉神戦、第二ラウンド。やっと長かった『楓』と嘉神の死闘が終わります。でも、この小説の戦闘の中で一番気兼ねなく書けたましたね。今迄の闘い……ほとんど条件付きだったんですよ。

けどここでの闘いは『楓』も『青龍の力』に対して、吹っ切れたトコがあるから精神力も上がって、『力』も九話の時よりは威力も使い方も良くなってますし、闘い方も一番彼らしいと思います。

ここまでくれば力の差もほとんど無いし、お互い全力で闘える。こっちも燃えます。(笑)

──けどこの話、実は月華第二幕の方が少し入ってるんですよね。(汗) 空中受け身とか、『楓』が続編での新技の空中で出す飛び道具「晨明・追風」の地上版みたいな飛び道具を使ってるとか。実はコレ失敗してますけど、これが後に完成したものが「追風」、という裏設定があります。(無駄。)

あと、話の最後のところで二重構成になってるの、分かっていただけましたか?(^^;) 嘉神の視点からと、『楓』の視点からの両方で書いてます。上手く纏まらなかったのが残念。(;_;)

──第拾弐話・晨明(夜明け。明け方(『楓』の技名から引用))──

覚醒楓vs覚醒嘉神戦、終了&エンディング。ゲーム中で言えば、嘉神に勝った後のデモからEDまでってトコですか。……どーも嘉神に「美学」がどーのとかいう台詞が言わせられない。(笑)

まあ、ゲーム中の嘉神はプレイヤーキャラの前から消えるまでちゃんと「完璧主義」とか「美学」とか通してるようですが、ここでは趣向を変えて嘉神の人間くさいトコを微妙に出そうかな、と思ったんです。その理由は幾つかあるのですが──これ以上、喋っちゃうと別の話に支障が出るので今は伏せときます。(苦笑) とか言いながら、しっかり伏線出してますが。(爆)

次に、楓と『楓』のシーン。まあ……二重人格のお約束ということで。正確には「彼ら」は二重人格と違いますけど。……これって端から見ると、楓が一人で喋ってるのでかなりお間抜けだなぁ。(笑)

実を言えば最初、このシーンで楓か『楓』のどちらかの人格を消滅させようかとか考えてました。(ぉぉ 第二幕が出る前。でも、どちらかの人格がなくなったら、それはそれで「楓」という人間ではなくなってしまうかなと考えて、取りやめにしましたが。なんか、最後が夜明けで終わるってのもお約束。(苦笑) ま、一応サントラのテーマ曲1「月華の剣士 〜夜明け前〜」と、『楓』の技の最初につく「晨明」とをかけてる意味もありますけど。一応、続編に繋がる形ということで未だ地獄門は開いたままです。『楓』の『青龍の力』で、一時的に抑制されてはいますが。

──はうっ、長かった。(苦笑) ま、前作の話はここで終わり、この後に執筆中の第二幕の話が続きます。……書けたら、他にもサイドストーリーみたいな話書きたいですね〜。うむ。

……さて。最後になりましたが、ここまで飽きもせず読んで下さった読者の皆様。本当に有難う御座いました。この場を以って、感謝の意を表します。読んで下さる方が居る事が大きな喜びとなり、新たな執筆意欲の源となっている事は言うまでもありません。……なんか、日本語変ですな。(死)

何はともあれ、機会があればまたお会いしましょう〜。……取り敢えず、第二幕の話ですか。(笑)

氷雨翔矢